ひまわりの丘

「えっ モデル!?」


思わず大声で復唱したあたしと目を合わせ、照れながら頷いた蒼太君。


「もともとは隼太がやってたことなんだ。でもあいつは、海外に行ってばかりだから押しつけられたっていうか、ね」


そんなの、押しつけられたからって誰にでもできることではないでしょ。

雑誌に載せる写真撮影が主で、呼ばれた時だけ仕事をしているんだと言った。

最初は気が進まなかったみたいだけど、大学を休学することになり無収入のまま遊んでるわけにもいかず、かといってバイトする適当な場所もこの辺りにはなくて。

だから続けてるんだと仕方なさそうに応えた。



その時、遠くの方で声がした。

「ソウちゃーん!」

それは女の娘の声。


走ってきたその娘(こ)に、あたしは見覚えがなかった。

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