ひまわりの丘
なんなんだろ、この目は。
顔を覗きこまれるように、真っ直ぐに見つめてくる。
心臓がちょっとバクバクってして、とても視線を合わせてられない。
あたしはこいつのこの目に、強くない。
「離して?」
「離したら、アンタ逃げるじゃん」
「……逃げないから、離してよ」
「ホントに? 誓える?」
「……うん」
スルッと隼太の指が解かれる。
「適当に座ってよ?」
さっきとはうって変わって、無邪気な笑顔になる隼太。コロコロと表情が変わって、何を考えているのかわからない。
だから苦手だと思うのに。
窓際にある手作り風の椅子の横に立って尋ねた。
「用事ってなに?」
「一人でメシ食っても美味くないから、一緒にいてくんない?」
今度は母親に甘える子供みたいで、なんとなく断れない気分にさせられた。仕様がないなって、そんな気持ちに。
あたしが椅子に座るのを確認した彼は、微笑んでからお弁当の包みに手をかけた。