ひまわりの丘

彼女の視線を追ってみる……と、その先には ――

ダンボール箱を抱えた彼は、あたし達に気付いてこちらに手を振った。とっびっきりの優しい笑顔で。

なんとなく“感”みたいな物が働いて、りっちゃんを見たあたし。

色白のりっちゃんの頬がさっきにも増して、染まっていた。

りっちゃんの好きな人って ――

カウンターの中に箱を置いた彼が、歩いてきた。


そして、あたし達のテーブルの傍らに立って

「お二人揃って、ランチですか?」

蒼太君が微笑んだ。

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