短編集*虹色の1週間
「?どうしました?」
「えーっとね、その、大変!服のボタン、取らないでそのまま入れちゃった」
ゴミ袋を見ると、確かに、洋服のボタンがついたままで入っている。
「これはプラスチックだから、分別しないといけませんよね?おにーさん」
敦子が作業員に同意を求める。
「あぁ、まあ厳密に言えばそうですけどね。これぐらいだったら、大丈夫ですよ」
作業員は軽く受け流し、敦子に向かって手を伸ばした。
「他にも!」
敦子が並べ立てる。
「ミニーの耳の、カチューシャの部分は、燃えませんよね?バッグのほら、この部分なんかすごい金属使ってるし」
自分で入れてきたゴミを、自分で批評しはじめた。
「だめですよね、分別しなおさないと」
敦子は一人で問題提起し、結論を述べると、呆気に取られている作業員と澤木からゴミ袋を取り返した。