短編集*虹色の1週間


ゴミステーションからの帰り道。
ここから家までは、徒歩できっかり3分だ。

が。
さっきよりも、長く感じる・・・。

手ぶらとなった澤木は、持ってきたばかりのゴミを持って帰る敦子の隣で、更なる居心地の悪さを経験していた。
追い越して、さっさと帰るわけにもいかないし。

通りすがりの主婦が、また澤木をじろりと見て通り過ぎていく。

「あの、持ちますよ!」
もう、こんな居心地の悪い思いをするくらいなら、ル・クルーゼでも奈良の大仏でも、なんでも持ちたい気分だ。

「いーの、いーの!」
敦子は今度も、澤木の申し出を明るく拒否した。
心なしか、来たときよりも軽やかな足取りだ。




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