短編集*虹色の1週間
パンチパーマが伸びたような、男女共用の髪型。
スラックスとTシャツが包む、性別を超越した堂々とした体型。
そこにいたのは、あの『オジサンオバサン』だったのだ。
「あぁ、そうか。ちゃんと野菜炒めも食べてたね?イチロー、ありがと!」
「アタシも手伝ったよ!」
「そうかい。みっちゃん、サンキュー!」
オジサンオバサンはしゃべりながらもドタバタとせわしなく動き回り、子どもたちが脱ぎ散らかした服を集めている。
突然、ボカ!と大きな音がしてその直後、一番小さいのが火がついたように泣き出した。
「なんだなんだ?イチロー、何やった!」
「ヨシオが最後の1個、食べようとしたから!」