短編集*虹色の1週間

澤木は、次々とゴミを搬入している作業員の隙を縫って、自分のゴミ袋を収集車に投げ込んだ。袋は他のゴミと一緒に、メリメリと音をたてて中へ飲み込まれていく。

澤木が止めていたわけではないが、作業員たちも、袋を抱え必死の形相で走ってくるこの女性を見捨てて立ち去るわけにも行かず、敦子の到着を待ってくれた。

「さぁ。入れてあげましょう」
息を切らしてたどりついた敦子の手から、澤木がゴミ袋を一つ、取り上げた。

お、重い。
こんなものを二つも抱えて、走ってきたのか。
「ふんぎり」って、大変なんだな。

澤木が、勢いをつけて袋を収集車に投げ込もうとした、その時。

「あ!ちょっと待って」
敦子がその手を止めた。



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