幸せの欠片
「あたしは経済的に考えてお父さんについて行くつもりだから。ひかるも決めときな。」
中学生ながら必死で整理して考え出した結果だったんだと思う。

でもあたしは決められなかった。決める事すら考えたくなかった。
決めたら本当に《家族》が散ってしまうんじゃないかと凄く不安になってしまった。
「…あたしは分からないよ。」
受け止めたくない気持ちが強かったんだ。
「受け止めて前見なきゃ。これが事実だよ。」
言い返せなかった。だって全部【事実】だから。
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