勇者に従え!

日が傾き、西の空が赤く染まり始める頃に、ようやく勇者は街に到着した。

慣れない旅に、精神的にも肉体的にも疲労が溜まっている。

しかし、勇者はかすり傷一つ作っていなかった。

単に『道はこっちで合っているのか』という不安と『歩き疲れた』という事に心身を疲労させていたのだ。

道に現れては行く手を遮るモンスターを勇者は全て一撃で仕留め、時たま落とすアイテムと小金を狙った。

おかげで、一泊分の宿代くらいはどうにか出せそうな位のお金が貯まった。

客の入りが少なく空いている安宿に部屋を取ると、食事や入浴もそこそこに勇者は眠りについた。

〈セーブデータ:
一日目/リルコンの宿屋〉

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