優しい旋律
ふ、と彼女は真剣な眼差しを感じる。


それは隣に座る先生からだった。


彼は彼女を見つめ、そ、と彼女の顔に片手を添える。


思わぬ出来事に、彼女の鼓動は急速にその速度を上げる。


二人の間に、ゆっくりと静寂が流れる。


春の風が、窓の近くで枝を広げる桜の木々を揺らした。


さわさわと歌う声は、春の訪れを伝えてくれる。









春は、始まりの季節。


だから、だから、神様、お願い。


いつまでもこのまま・・・。









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