優しい旋律
部室までの距離が縮まるにつれ、心臓のスピードが速度を上げていく。
ドク、ドク、ドクと脈打つ音が、廊下中に響き渡っているのではないか、
心配で周りを見渡す。
人影はない。
机の上に置いとくだけだ、何をそんなに緊張するの?
彼女は自分自身に語りかける。
早く届を置いて、家に帰ろう、彼女は部室へと急ぐため、誰もいない廊下を走った。
足音だけが響く廊下。
夕日が差し込む、橙色の長い道。
彼女の目的地は、今いる彼女の場所からは少し遠かった。