未完成な僕ら
「疲れたぁ…つか、明日おきれないし‥」
ブツブツ言いながら二階の自分の部屋にあがる。
ドアを開けた先に人影が見えて、一瞬体がビクッとなる。
部屋の中を見ると、いつの間に帰ったのか、兄の冬弥(トウヤ)がベッドに座って漫画を読んでいた。
「人の部屋で何やってんの?」
「んー?漫画読んでる」
「いや、そうゆうこと聞いてるんじゃなくて。自分の部屋に持っていって読めばいいじゃん!」
眠くてイライラしていた実都は、強い口調で言う。
すると、
「まぁ、座りな」
と言って冬弥に腕を引っ張られ、隣にに座らされた。