【完結】キミと運命と裏切りと涙。







「では、お気をつけてお帰りください」


「……はい」


「では私は、これで失礼いたします」


「……あの」


「はい?」


「……俺も、笹川が笑った所を一度も見たことはありません」


「……そうですか」


「これは俺が思うことなんですけど、笹川は母親のことを本当に嫌ってるわけじゃないと思います」


「……それはどーゆう意味でしょうか」



「笹川はきっと、寂しいだけなんじゃないでしょうか。……きっとそれを隠すために、わざと冷たい態度を取っているんじゃないかと」


「……もしそれが本当だったら、いいんですがね」
< 106 / 544 >

この作品をシェア

pagetop