【完結】キミと運命と裏切りと涙。
「あたしの答えは変わりません。……授業が始まるので失礼します」
笹川はそう告げて電話を切ると、おもむろに俺の方に振り返った。
「盗み聞きですか。……ずいぶん趣味が悪いんですね」
「……ごめん。そんなつもりはなかったんだけど」
「言い訳なんてしなくて結構です。……失礼します」
笹川はそのまま俺の前から立ち去って行った。
でも俺に向けられたその瞳は、ずっと冷たいままだった。
……なぁ教えてくれよ。
笹川はどうしてそんなに俺を拒むんだ?
俺は笹川が好きなのに、どうして笹川は俺の気持ちに気づいてくれないんだよ。