【完結】キミと運命と裏切りと涙。







あたしたちの間に重い沈黙が流れる。


それから数分経っても、あの人は口を開こうとしようとはしなかった。




「パーティーには出席しません。……失礼します」


あたしは早くこの場から抜け出したくてその場を去った。




……あたしはあの人が憎かった。


あの人に無性に腹が立った。




生みたくなかったら生まなきゃよかったのに、それでもあの人はあたしを生んだ。


お腹を痛めて生んだ娘なのに、あの人は平然と皮肉なことを口にする。




"母親は私よ"とか、"生んだのは私なんだから感謝しなさい"とか。


……あの人はどうしてそんなことが簡単に言えるの?
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