【完結】キミと運命と裏切りと涙。







「……なにそれ」


「あの人はそーゆう人だよ。……あたしのことより仕事を優先にする人だから」


「……麻衣」


「あたしは別にね、あの人から愛されたいだなんて思ってないんだ。ただ少しでもいいから、あたしのことを考えてほしいってずっと思ってたんだ」


「……うん」


「愛されなくてもいい。娘だなんて思ってなくてもいい。……でも少しはあたしのことを心配してほしかった」


「……そうだよね」


「あたしだってあの人を母親だなんて思いたくないよ。……でもあの人があたしの母親だってことに変わりはない」


「……うん」


「だから辛かったの……」
< 147 / 544 >

この作品をシェア

pagetop