【完結】キミと運命と裏切りと涙。
俺がそう聞くと、女は不思議そうに俺を見た。
「名前だよ。名前」
「あっ……笹川麻衣、です」
「笹川……?」
笹川ってまさか、あの世界でも有名な笹川コーポレーションの……?
……あっ、そういえば聞いたことがあるな。
笹川コーポレーションの社長には、一人っ子の愛娘が居るって。
じゃあその愛娘ってもしかして……。
「もしかしてお前……笹川コーポレーションの一人娘か?」
「……はい。……そうです」
俺がそう聞いた時、笹川は少しだけ顔を俯かせた。
……でもその顔は少しだけ、寂しさを物語っていた。