【完結】キミと運命と裏切りと涙。
「……だよな」
俺はいまも意識を取り戻さない笹川にもう一度視線を向けた。
「麻衣……早く目を覚まして」
笹川の両腕には包帯が巻かれていて、あちらこちらには無数の傷がまだ残っていた。
「……じゃあ俺帰るな。邪魔して悪かったな」
「いえ……来ていただいてありがとうございました」
「……ああ。じゃあまたくるよ」
「はい……」
俺は笹川をもう一度見つめてから無言で病室を出た。
そして歩きながらずっと思っていた。
……どうして笹川がこんな目に遭わなきゃイケないのだろうかと。