【完結】キミと運命と裏切りと涙。







そう言った笹川の瞳は、どこか遠くを見つめているような気がした。




「でも、母親なんだろ?」


「……あんな人、母親なんかじゃない」


「けど、血は繋がってるんだろ?」


「……例え血は繋がってても、あたしはあの人を母親だなんて思ってない」


「お前、なんでそこまで母親を嫌うんだ?」


「……あの人がサイテーな人だから」


「え?」


「……あの人はあたしのことを娘だなんて思ってない。だから嫌いなの」


「…………」


「先輩にはわからないよ。……あたしの気持ちなんて」


「笹川……」


「……あたしは生まれてこない方がよかったんだよ」
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