【完結】キミと運命と裏切りと涙。







「……ふう」


深呼吸をしてから病室の扉をゆっくり開けた。




「笹川、具合はどうだ?」


「……なにしに来たんですか」


「相変わらず冷たいなぁ。お前の様子が気になってな」


「……あたしのことはほっていてください。具合ならもう大丈夫ですから」


「そうか。……ならいいんだけどな」


「……先輩は」


「え?」


「……先輩はずっとあたしのそばに、居てくれたんですか?」


「ああ」


「……そうですか」


「でもさ、ほんとによかったな」


「……はい」


「イヤだったか?」
< 223 / 544 >

この作品をシェア

pagetop