【完結】キミと運命と裏切りと涙。
「……ごめんな」
「謝るなら麻衣に謝ってください。……それにあたしは、先輩に謝ってほしいわけじゃありませんから」
「…………」
「……それと麻衣のことは、しばらくそっとしておいてください。いまはまだ少し混乱してるみたいなので」
「わかった……なにかあったらまた言ってくれ」
「……はい」
「じゃあ俺、教室戻るな」
「……はい」
俺は不安そうに俯く莉乃を見つめ、静かにその場から立ち去った。
……俺だって莉乃が言いたいことはわかる。
でも笹川を傷つけないためにも、あーするのが一番だと思ったんだ。