【完結】キミと運命と裏切りと涙。







「勘違いしないでほしいの」


「……え?」


「あたしは決して先輩が嫌いだからそう言ったんじゃない。……先輩にも人を裏切られた時の代償っていうのをわかってほしかっただけだから」


「……莉乃」


「あたしだってあんなこと言いたくて言ったわけじゃない。……でも先輩にはちゃんと向き合ってほしかったの。麻衣がいまどんな気持ちでいるのかもわかってほしかったの」


「……っ、うん」


「裏切られるのがどんなに辛いことかってことは、麻衣が一番よくわかってると思う。だからその分ちゃんと理解してほしかったんだ……先輩にも」




莉乃はそう言うと、窓から空を見上げた。
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