【完結】キミと運命と裏切りと涙。
その事実に気づいてしまったあの日から、あたしはお母さんが嫌いになった。
あんな人の娘でなんて居たくない。……そう思うようにもなった。
だからそれ以来あたしは、お母さんのことを"母親"だなんて思えなくなっていた。
だから"お母さん"なんて呼ぶのをやめた。
あの人のことを最後に"お母さん"と呼んだのは、あの日あたしがあの人に不満をぶつけた時だ。
その日からあたしは、あの人のことを"お母さん"だなんて呼ばなくなった。
「……っ」
"笹川麻衣になんて名前、なりたくなかった"
あたしはあの先輩にたしかにそう言った。