【完結】キミと運命と裏切りと涙。
Side麻衣
「……ただいま」
家に帰ると、メイドたちがいつものようにあたしを出迎える。
それはもう毎日のことだから慣れたけど、母親のこともあってかメイドたちと顔を合わせるのも気まずい。
だってメイドたちは当たり前のように知っているから。
あたしとあの人の仲がすごく悪いことを。
そのせいかあたしの前では絶対に母親の話をしない。
……いや、たぶんしないようにメイドたちなりに気を遣ってくれてるんだと思う。
なんだかメイドたちにまで気を遣わせているのだと思うと、少し心が痛む。
でもそれはメイドたちなりの優しさなのかなって思う。