【完結】キミと運命と裏切りと涙。
あたしだってこの家に生まれたくて生まれたわけじゃない。
でもこの家に生まれた以上は、もうそれが事実だ。
ブー……ブー……。
ベッドの上で震えるケータイを手に取り、メールを開く。
"大丈夫か?"
そこにはその一言だけが書かれていた。
"大丈夫です"
あたしはその一言だけを返信した。
先輩はあたしのことをいつも心配してくれる。
それは付き合う前からずっとそうだった。
でもこんなにあたしのことを心配してくれる人は、こんなにあたしのそばに居てくれる人は先輩しか居なかった。