【完結】キミと運命と裏切りと涙。
「―――――どれだけ嫌いでも、どれだけ憎くても、あなたがあたしの母親だってことに変わりはないことです」
「……麻衣」
「あたしはあなたが嫌いです。でもあなたがあたしの母親だってことに変わりはありません。……失礼します」
あたしはあの人に軽く頭を下げると、そのまま部屋を出た。
そしてすぐそこにメイドの姿。
「おっ、お嬢様……」
「……いまの話聞いてた?」
「はっ、はい!!申し訳ありません。盗み聞きするつもりはなかったんですが……」
「いいよ別に」
「……え?」
「あの人にはこのこと言わないでね」