【完結】キミと運命と裏切りと涙。
「……え?」
あたしはなにも言えなかった。
「俺の母親は、俺を生んですぐに俺を捨てた」
先生は変わらずずっとグラウンドを見つめていた。
「…………」
先生にそんな過去があったことを、あたしはその時初めて知った。
「それから俺は、ずっと施設で育ったんだ」
先生は結婚して子供も居るから、いつも幸せそうだなぁって思っていた。
「……そうだったんですか」
でもその笑顔の裏には、そんなにツライ過去があったんだ……。
「まぁ施設を出てからは、ずっとアパート暮らしだったけどな」