【完結】キミと運命と裏切りと涙。
Side麻衣
「……これなに」
目の前に差し出されたモノを見て、それしか口が開けなかった。
「見てわかるだろ?結婚指輪だよ」
「……なんでこんなモノつける必要があるわけ」
「なんでって……俺たち"夫婦"だろ?」
「夫婦だからって別にこんなのつけなくたっていいんじゃないの。てゆーかつける必要ないでしょ」
「なんで?」
「そんなモノつけたってなんの意味もないじゃない。……所詮紙切れ一枚で"夫婦"ってことになってるんだから」
「俺はつけたいな」
「じゃあ一人で勝手につけてればいいでしょ。あたしはつける気ないわ」
「なんでだよ。俺たちは夫婦だろ?」