【完結】キミと運命と裏切りと涙。
Side咲哉
「かわいそうだね、アンタ」
そう言って俺を見つめる仁科の瞳は、まるで俺を軽蔑するかのようだった。
「……かわいそう?」
「そう、かわいそうよ。あの子にフラれたせいでまた色んな女に手を出して。……そんなアンタ見てると痛々しくてかわいそう」
「……俺はかわいそうなんかじゃねぇよ」
「かわいそうじゃない!!アンタまだあの子のこと好きなんでしょ?なのに色んな女取っ替え引っ替えしてさ。……まるで別人みたいね」
俺にそう言い放った仁科は、俺を少し睨んだあと俺の前から早足で立ち去っていった。
そして俺は仁科の言葉を何度も頭の中で繰り返していた。