【完結】キミと運命と裏切りと涙。
「……なんでだよ」
「彼女から口止めされてるの。誰にも言わないでくれって」
「……頼む。教えてくれ」
「それはできないわ。……知りたければ彼女から直接聞いて」
「……っ」
「じゃああたし行くね。……気をつけて帰ってね」
俺に背を向けた仁科は一度も振り返ることなく、俺の前から立ち去って行った。
……いま起きてる状況を、アイツ本人から聞けって?
そんなのムリに決まってんだろ……。
だって俺たち別れたんだぞ?
なのに別れたヤツに直接なにがあったのか聞くなんてムリだ……。
とてもじゃないけど、気まずくて逢えない。