【完結】キミと運命と裏切りと涙。







優しく微笑みかけてくれた宏輝は、優しくあたしの頭を撫でてくれた。


それはまるで子猫のように優しく……。




「宏輝、ごめんね。……それからありがとう」


「……ああ」


「もし義理だとしても、宏輝がお兄ちゃんでよかった」


「ああ……ちゃんと幸せになれよ。俺の分まで」


「……うん」




今まで憎んできた宏輝でも、いざ兄妹だと知ると憎めなくなる。


それはずっと幼なじみであって、義理の兄でもあるから。




あたしがどれだけ傷つけても、宏輝は決してあたしを責めようとはしない。


それはきっと、宏輝なりの優しさなんだと思う。
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