【完結】キミと運命と裏切りと涙。
「……そうか」
「宏輝のことはまだ許せないけど……それでも宏輝が幼なじみだってことに変わりはないですから」
「……兄でもか?」
「はい。……宏輝がお兄ちゃんだとしても、あたしは宏輝がお兄ちゃんでよかったと思います」
「……そうか」
「はい……宏輝のことは幼なじみとして好きだし、兄としても好きだから」
「……だよな。幼なじみであって、兄でもあるもんな」
「はい。……宏輝のことは本気で嫌いなわけじゃないですから」
「……そうだな。お前は優しい人間だからな」
「いえ……優しくなんてありません。宏輝のほうが何倍も優しいです」