【完結】キミと運命と裏切りと涙。
―――――翌日。
宏輝は誰の見送りも受けずにそのまま海外へと旅立って行った。
本当は見送りに行こうと思ったけれど、宏輝に最後まで来なくていいと言われてしまい、結局見送りには行けなかった。
でもそれでも本当は、宏輝を許すにはまだしばらく時間がかかると思う。
あんなふうにさせられて、挙げ句の果てには宏輝が義理の兄だと公表されて。
その話を聞いた時、それでも許すことはできないと思った。
たしかに幼なじみだから理解できることは多いと思うけど、それでもあたしは"幼なじみ"としてまだ許したくない。
傷つけられたことに変わりはないから……。