【完結】キミと運命と裏切りと涙。
「……わかった」
笹川は誰の目も気にせず、エレベーターへと乗り込み目的地に着くのをただジーッと待っていた。
「……先輩」
「ん?」
「……あたし、もう逃げませんから」
「え?」
「……もうなにがあろうと、絶対に目の前の真実から目を背けたりしません」
「そっか。……頑張れ」
「……はい」
会話が終わったのと同時に、目的地に着いたみたいだ。
笹川は唇を噛み締めて、一歩一歩母親のもとへと足を進めていく。
……ここに。
ここに笹川の母親が居るんだな。
「……行きましょう」