【完結】キミと運命と裏切りと涙。
Side麻衣
「もうこんなことやめろ。自分を傷つけるだけだ」
あたしを抱き寄せた先輩は、最後にそう呟いた。
「……あたしは傷ついたって構わない」
自分を犠牲にしなきゃ生きていけないんだもん。
「お前がそう思ってたって、そうじゃない人間だって居る」
……なのに返ってきた答えは、全然予想もしていなかった答えだった。
「……先輩になにがわかるのよ」
こんなことしか言えない自分を、あたしはつくづくイヤな人間だと思う。
「俺にはお前がかわいそうで見てられない」
先輩はあたしを怒るわけでもなくそう言った。