【完結】キミと運命と裏切りと涙。
「……っ」
自分のことなのに、人に頼るなんておかしい。
「ダメだ。……しっかりしろよあたし」
……あたしほんとに、どうかしてるよ。
「ただいま」
逃げるようにして家に帰ったあたしは、すぐに部屋に閉じこもった。
「麻衣お嬢様」
メイドの声が聞こえる。
「……なに」
つい口調が冷たくなってしまう。
「ほんとにこの家を、出て行かれるんですか」
メイドはためらいがちにそう言った。
「……うん」
「なんとか考え直しては、いただけませんか」