狙われし王女と秘密の騎士
身を固くしてカイルにしがみつく。
それはあっという間で、ドサッと地面に勢いよく転がり込んだ。
「いった~……くない?」
あの高さから落ちたのだから、それなりに覚悟した身体に感じるはずの痛みがほとんど感じられなかった。
ゆっくりと目を開けると私の体の下ではカイルが顔を歪めて痛がっていた。
それを見てカイルが庇ってくれたとわかる。
「カ、カイル!」
驚いて上からおり、怪我はないか体を心配するとカイルはその手を払い、すぐに体を起こした。
「大丈夫っ。走るぞ」
素早く起き上がり、辺りを窺いながらまだ座っていた私の腕を掴んで引っ張るように立ち上がらせて走りだした。