狙われし王女と秘密の騎士
ひたすら闇雲に道を走り抜け、追っ手が追い付けないよう遠くまで走った。
一体どのくらい走っただろうか。
建物から大分離れ、追っ手が来ないとわかった所で私たちは足を止めた。
夜中だからか、辺りには人はいない。
私は壁に寄り掛かりゼェゼェと息を整える。
カイルをチラッとみると、膝に手をやり、やはり息を整えていた。
カイルが息を乱すくらいに走ったということだ。
「カイル、あの……」
恐る恐る声をかけようとした時、カイルは私の後ろの壁をバンッと叩いた。
「っわっ!!」
その勢いにビクッと肩をすくめとっさに目を閉じた。
そしてユックリと目を開ける。
目の前にはカイルのキレイな顔が睨みを効かせていた。