狙われし王女と秘密の騎士
その目は先程のような怒りではなく心配から歪むように細められていた。
その目に釘付けになる。
そして、胸に広がるのは激しい後悔。
「考えて行動しろ」
「……はい」
「本当に。無鉄砲過ぎる」
「ごめん……」
「頼むからっ」
カイルは私の頭を自分に引き寄せた。
その広い胸にすっぽりと納まってしまう。
その腕に包まれたとき、何故だか瞳から涙がポロリと零れた。
それは一度流れると止まることはなくて。
静かにカイルの服を濡らす。
カイルは安心したようにため息を深くついた。
「心配かけんな」
「ごめんなさい……。ごめん、カイル……」
私は彼の服をキュッと掴んで身を寄せた。