狙われし王女と秘密の騎士
人懐っこい笑顔の人だな。
ついこちらまで笑顔になってしまう。
「しばらく王女達は滞在される。今回の件はカイルに一任することにした」
国王はディルにそう告げる。
話は聞いていたようで、それだけで納得していた。
「そうですか。残念。こんな綺麗な王女なら私がお役に立ちたかったな」
カイルはおどけて笑う兄から目を逸らし、国王に向き合った。
「話は以上ですよね。二人を部屋にお通ししてもよろしいですか?」
「あぁ。そうしてくれ」
そう言われ、私達は国王とディルに挨拶をし、玉座の間を出た。
後ろで扉が閉まると私とお頭は同時に大きなため息ついた。