狙われし王女と秘密の騎士
確かにお頭なら仲間を集め、国民に被害が出そうな時も誘導や伝達など上手くなんとかしてくれそうな気がする。
その点では心配がないくらいお頭の能力は買っていた。
「準備が整い次第、出兵する。軍は約3万人。一陣は街に。お頭と合流し、街にいる兵の制圧と市民の安全面。もう二陣は城に。その間、サルエル王国の方は陛下が圧力をかけるそうだ。そうすることで援軍はこないだろう」
サラっと圧力といったが、こんな大国に圧力をかけたられたら多少の傷ではおさまらない。
恐いことをいとも簡単な事のように言う。
「エルシール兵士はサルエルに制圧されているだろう?」
「多分。希望は少ないと思う」
エルシール兵士の多くは先の戦争で負傷している。それに加え、城を攻め込まれており、王もとらえられている今、エルシール軍は壊滅しているだろう。
逃れて身を隠している者も多いだろうが、エルシール兵士を頼り、力を借りるのは皆無に等しい。
それが出来ていたらとっくに事態は進んでいるはずだ。