狙われし王女と秘密の騎士
振り返るとルカは私に微笑み、その姿はもう今まで通りだ。
もう少しゆっくりしていていいと言ったのだけれど、「私が寝ていたら姫様が毎日やって来て落ち着かないわ」と苦笑していた。
「姫様には私がお側にいないと」とも。
そんなルカの存在はとても嬉しかった。
そんなルカは私の気持ちなどお見逃しなのだろう。
しかし、だからと言って余計な口出しはしなかった。
「早く着替えてカイル王子のお見送りしないと」
と、ルカはフフッと笑って私の背中をポンと押す。
力付けるように。
「行ってらっしゃいませ」