狙われし王女と秘密の騎士
Another Story



あれから半年ーー………


「姫様。シュカ姫様。お飲みものは如何ですか」


部屋の窓から空を見上げていたら、後ろからルカが声をかけてきた。


「また空を眺めていたんですか?」
「なんか、落ち着くから」
「あ、今日は月が赤いですね」
「うん。新月みたい。……あの時と同じ月だわ」


そう。あの時と。
城を追われたあの日。
そして……。


「カイル王子、お元気ですかね」


カイルが国に帰った日の夜も同じ赤い月だった





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