狙われし王女と秘密の騎士
ーー
「シュカ。昨日、部屋に来いと伝えたはずだが?」
「すみませんでした。寝てしまっていたもので」
父王が朝食後のお茶を飲みながら私に問いかける。怒る訳でもなく、どちらかと言うと呆れた顔で。
しかし、しれっと答える私に、父王はハァと重いため息をついた。
「ったくお前は。まぁよい。さて、今回の縁談だが……」
「縁談はしません。全て断ってください」
私は父王の言葉を遮り、キッパリと言い放った。
「……シュカ。何度も言うようだが、お前はこの国の跡継ぎとしてもうそろそろ結婚を考えて、だな」
「まだ結婚はしません」
私はガタッと席を立つ。
「あ、こら! まだ話は」
「お断りして下さい」
そう言って部屋を出て行った。