狙われし王女と秘密の騎士
第二章
成り行きで二人
あれから。
私はカイルに連れられ、近くの食堂に入った。
よくある大衆食堂といった感じの店。古いわけではないが、昔からあるここら辺では大きなお店だった。
しかし、私は普段はあまり城から出ない。
ましてや、こういう所は初めて入るから、思わずキョロキョロと辺りを見渡してしまう。
「まぁ、座れ」
私はカイルに促されるまま、席に座った。
椅子もふわふわなクッション素材ではない、板張りの丸椅子。
慣れない場所になんだか、ソワソワしてしまう。
そんな私をチラッとカイルは見たが、気にする様子もなく食事を適当に注文してくれた。
「で?シュリはいくつなんだ?」
運ばれてきた食事をとりながら、カイルは聞いてきた。
一瞬、キョトンとしてしまう。シュリって名前に慣れていない。誰の事かと思ってしまう。
はやく慣れないと。
そう思いつつも聞かれた質問に「17歳」と答えた。
「じゅうななぁ~!?」
「な、なに!?」
カイルの驚きように、ビクッとする。
年齢は嘘ついてない。
そんなに驚くことないじゃないか。
「俺と3つしか違わないのかよ!?お前、ちっせーな」
「よっ、余計なお世話だ!」
本当は女なんだから男より小柄なのは当然だ。
そう言い返したいがそこは我慢。
大体、カイルこそ三つ上には見えない。落ち着いた雰囲気から、もう少し上だと思っていた。
「栄養足らないんじゃないか?たくさん食え」
「……~……じゃぁ、遠慮なく」
本当は生まれて今まで栄養満点の王宮で生活していたんだけど。
でもせっかくの食事だ。きちんと頂くことにしよう。