狙われし王女と秘密の騎士
その目はとても真剣で。
まっすぐ“私”に向けられていた。
その眼差しにハッとする。
まさかナチさん……。
「あ、あのっ。その…ナチさん…「シュリ君!」
戸惑って言葉をかける私の言葉をナチさんは遮った。
そしてもう一度、ゆっくりと“シュリ君”と言った。
優しく微笑んでいる。
「元気で。また、ね」
「ナチさん……」
私はありがとうと頭を下げた。
ナチさんの気遣いが嬉しかったし、申し訳なかった。
頭を下げ続ける私の肩をさすりながら、ナチさんはとても、本当にとても小さな声で“どうかお元気で”と呟いた
ナチさん。
ごめんね。ごめんなさい。
ありがとう。