狙われし王女と秘密の騎士
「へ?」
私はカイルの突然の言葉に驚いて箸を置いて顔を上げた。
キョトンとする私にカイルはお茶を飲みながら目だけをこちらに向ける。
妙に色っぽい目線をする男だと思う。
それに、二十歳そこそこの年齢なのに、若さ特有の弾けた感じや危なっかしさや子どもっぽさ、幼さが見えず、どっしりとした構えが見えるのだから本当に不思議だ。
カイルはン~ッと伸びをして、机に頬杖をついた。
「“何者?”って感じでずっと俺のこと見てる」
「えっ!?そんなこと……」
図星だったが、思わず反論しようとする私にカイルはお皿を指差して言った。
「飯も減ってねぇし。チラチラ俺を見すぎ」
「あっ」
確かに。先程からお皿の上の食事は減っていない。
気まずくカイルを見ると、見透かした目でこっちを見ていた。
つまり、カイルには私の今の考えなどお見通しってわけだ。
私は軽くため息をつき、諦めて箸を置いて聞いた。