狙われし王女と秘密の騎士
何て言えば良いのか言葉が頭をグルグル回るが、上手い言葉が見つからない。それに、言葉を選んだところでカイルは私の言いたいことはわかっているだろうと思った。
だからストレートに疑問をぶつけてみる。
「カイルって何者?」
「ただの旅人」
間髪入れずに返答。
まぁ、予想通りの答えだけどれど。
「…そんな歌の歌詞みたいな返事はいらない。というか、カイルはなんで旅をしてるんだっけ?」
さりげなく旅をしている理由を聞いたつもりだったが、カイルにはお見通しだったみたいで、鼻で笑われてしまった。
「俺のことに興味でもわいたか?」
「興味っていうか、カイルは不思議な人だなと思ったから」
「まぁ、変わってるとはよく言われたな」
「旅してる理由ってあるのか?」
カイルは“ん~?”と椅子に寄り掛かった。