狙われし王女と秘密の騎士
益々カイルという人がわからなくなった。
しかしそれ以上は何を聞いても教えてくれない。
黙ってしまった私にカイルは小さく笑った。
「まぁ、人は少なからず秘密は抱えてるもんだ」
「秘密……」
「シュリだって秘密はあるだろう?」
「えっ!?」
ギクッとする。
じっと見るカイルのその目に内心動揺した。
見透かされている気がする。
私は焦りがばれないように、努めて平静を装った。
「お、俺には秘密なんてないし!」
「へぇ」
「な、なんだよ!」
「いや。秘密も持たないなんてやっぱりまだまだガキなんだなぁと思っただけ」
「だからガキじゃないってば!」
「はいはい」
大人な笑顔であしらうように返事をされる。
ムカつく!
話もうまくそらされ、腹を立てながら食事を食べきると、カイルは“あっ”と私ではなく横を向いて言った。