狙われし王女と秘密の騎士





「なぁ、ナルエル王国ってのはどんな国だぁ?」


のんびりとした頭の声が上から降ってくる。
エルシールを出て、数日。
お頭にしては、こののどかな道に合った声を出している。
カイルはチラッと振り向いた。


「豊かだな。エルシールよりも」
「そうなのかぁ?」
「あぁ。経済的にも大国だ。発展的とでも言うかな。他の国に比べると差は歴然だ。だからサルエルも手は出して来ない。返り討ちにあうのは必然だからな」
「へぇ。豊か豊かとは聞いていたがなぁ。そんなに凄いのかぁ」
「まぁ、気候に恵まれてるってのが1番だな」


確かにナルエル王国は山や海に囲まれている。その恩恵を受け、経済も発展しており、他国より豊かだ。
まぁ、大国故に他国からの難民受け入れが今問題となっており、大変らしいとは聞いている。


「現国王になってから大きく発展し、国が荒れることもなくなったとか」


お父様はえらく感心していた。
現国王の手腕に見習うべく、だからこそ交流を深めようとしていた。



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